「これ以上、髪が傷むんじゃないか」
診断のときに伺う不安の中で、いちばん根が深いものです。とくに、縮毛矯正を何度も繰り返してきた方ほど強く感じておられます。
正直に書きます。縮毛矯正は髪を傷めます。薬剤で結合を切り、熱を加えるのですから、負担がないはずがありません。
ただ、ひとつだけ。比べる相手を間違えないでください。
毎朝、180度を、同じ場所に
ストレートアイロンの温度は、多くの製品で160〜200度です。まっすぐにしたい方は、たいてい高めに設定されます。
うちに来られる方に伺うと、毎朝20分ほどかけているという方が多いです。夕方に広がるので、出先で直す方もいます。
これを1年続けると、どうなるか。
- 365日 × 20分 = 年間およそ120時間
- しかも、いつも同じところに当たります。顔まわり、毛先、表面
縮毛矯正は、4〜6ヶ月に1度です。年に2〜3回。1回あたりの負担は大きいですが、回数がまったく違います。
「まとまらないから、結局縛る」の悪循環
もうひとつ、見落とされがちなことがあります。
くせが強い方は、アイロンをかけても夕方には広がります。だから結局、縛る。縛ると、ゴムの位置に負担が集中します。
そして翌朝また、アイロンをかける。
この繰り返しが、いちばん髪を削っています。縮毛矯正をやめている期間にも、髪は傷み続けているということです。
だから「アイロンをやめるための施術」だと思っています
私は縮毛矯正を、髪をきれいに見せるための施術だとは考えていません。
アイロンを持たなくてよくなるための施術だと思っています。
朝、櫛で溶かすだけで整っている。だからアイロンを出さない。だから熱が当たらない。結果として、長い目で見れば髪の状態は落ち着いていきます。
それでも、無理な日はかけません
とはいえ、いま傷んでいる髪に無理をさせるべきではありません。
初回の診断で、これまでの施術の履歴をすべて伺います。いつ、どこで、何を、何回。カラーやブリーチの有無も含めて。
そのうえで無理だと判断した日は、かけません。「今日はやめておきましょう」とお伝えして、お引き取りいただくこともあります。
以前、それを言われてがっかりされた方がいました。3ヶ月後にかけたときに、「あのとき無理をしていたら、切るしかなかったと思う」とおっしゃいました。断るためではなく、失敗させないための診断です。
特別なケアは、要りません
最後にひとつ。
「お風呂上がりのトリートメントやオイルが面倒」とおっしゃる方は多いです。私もそう思います。
だから、特別なホームケアを前提にしない仕上げにしています。やらなくて大丈夫です。手間のかかる維持を前提にした施術は、続かないので意味がありません。
